>>509

世界的な核戦略の一環

――日本やグアムに向け撃って来るミサイルはどう防ぐのですか?

鈴置: それらが発射されるのを防ぐために米国は核を使うわけです。
核兵器なら広範囲を確実に破壊できるからです。それでも発射されたものがあれば、
日米の「ミサイルを落とすミサイル」でもって防ぎます。

――核弾頭搭載可能の巡航ミサイルの配備は本気なのですね?

鈴置: 思い付きではありません。米国の世界的な核戦略の一環です。2018年2月、
国防総省は「Nuclear Posture Review」(NPR=核戦略見直し)を発表しました。

 NPRの2018年版にはちゃんと「米国は短期的には小威力の核弾頭をも搭載できるよう、
少数のSLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)を改造する。長期的には核弾頭を搭載した
新たなSLCM(海上発射型巡航ミサイル)を配備する」(ページXII)と書かれています。

 この報告書の「要約・日本語版」が「海上発射」型と訳しているのでそれに
倣いましたが、水上艦だけでなく潜水艦から発射する巡航ミサイルも含むと思われます。
原文には「sea-launched cruise missile」とありますから。