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ネット上の攻撃も擁護?

記憶に新しいのは、韓国の与党「共に民主党」が、
ソウルを拠点とするブルームバーグの記者を攻撃する論評を発表した出来事だ。

きっかけは今年3月、自由韓国党の保守派議員である羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)が
ブルームバーグの記事を引用して、文の外交政策を批判したことだった。
問題の記事は、国連総会で演説した文が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)
朝鮮労働党委員長の「首席報道官」のようだったとする内容だった。

「共に民主党」は、ブルームバーグと記者を名指しし、同社で働いている韓国人らを
侮蔑的な言葉で非難した。これに対してソウル外国特派員協会は、同党の行為を
「大いに憂慮する」という声明を発表。アジア系アメリカ人ジャーナリスト協会も、
同記者が韓国系であることに同党が言及したことを非難する声明を発表した。

こうした反発を受けて「共に民主党」は論評を撤回。
文陣営も報道の自由を擁護することを約束し、どんな場合でも記者の身の安全が
脅かされるようなことがあってはならないという立場を明確にした。
しかし、文陣営がこの声明を発表したのは、ブルームバーグ記者が
メールやSNSで文の支持者たちから執拗な攻撃を受けてからのことだった。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12151.php