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●祝辞に忙しい統一部長官

すぐに再開は難しいという事情を熟知するにもかかわらず、
丁氏が強い主張を繰り返す理由は何か。
その本質的な問題提起は、韓国の積極性が見えないという所に集約される。

それは言い換えると、経済制裁のカギを独占する米国の手に、
朝鮮半島の非核化と平和定着を進める決定権が完全に握られている状況を打開しない
限り、当事者たる韓国は「永遠の傍観者」であり続けるという危機感だ。

そしてその背景にはやはり、主導権を持って事に当たった金大中時代
(98年2月〜03年2月)の成功経験があることは否めない。

1998年の財閥・現代の鄭周永会長の訪朝が北朝鮮との交流再開をもたらし、
金剛山観光(98年11月)・南北首脳会談(00年6月)、米朝共同コミュニケ(00年10月)、
開城工団(00年8月合意、03年着工)そしてクリントン大統領と金正日総書記の
米朝首脳会談直前まで行った一連の「歴史」に丁氏は深く関わっていた。