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 仲裁手続きは日韓請求権協定で定められたもので、実際に要請するのは1965年の
締結以来初めてとなる。仲裁委員会は日本と韓国、第三国の委員で構成される。
外務省関係者によると、日本政府は同日、日本側の委員を任命。
韓国側が委員を任命した際に、誰を任命したか明らかにするという。

 協定に基づけば、韓国政府は30日以内に委員を任命することになっており、
6月18日が期限となる。
韓国政府が委員を任命すれば、両国で第三国の仲裁委員を選ぶ手続きに入る。

 日本政府が仲裁手続きに踏み切った背景には、
李首相が15日、政府としての対応に「限界がある」と発言したことがある。

 河野太郎外相は20日、参院決算委員会で仲裁に踏み切った理由を問われ、
「対応を心待ちにしていたが、残念ながらその責任者である李首相から
(限界があるという)発言があった」と説明した。首相周辺も李首相の発言について
「請求権協定に基づく協議に応じないと言っているようなものだ」と批判するなど、
発言をきっかけに仲裁手続きの流れが固まった。

 河野氏は22〜23日にフランス・パリで開かれる経済協力開発機構(OECD)
閣僚理事会に合わせ、康京和(カンギョンファ)外相と会談し、仲裁に応じるよう
求めるが、見通しがあるわけではない。韓国が仲裁手続きに応じなかった場合、
日本政府は国際司法裁判所(ICJ)への提訴も視野に入れている。(鬼原民幸)