強制徴用:専門家ら、韓国政府の基金案を批判「責任逃れ」「被害者中心主義と矛盾」
記事入力 : 2019/06/26 09:02

今年1月に「基金案は非常識な発想」と言った韓国政府
今度は「企業の自発的財源だからいい」

 韓国政府は、大阪で行われる主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)で
韓日首脳会談が開催されないことを25日、発表した。それと同時に、強制徴用賠償問題を
解決するため、韓日企業の拠出金で被害者を支援する案を再び取り上げた。
今月19日の韓国政府発表直後、日本が拒否した案だ。外交部(省に相当)の
康京和長官は同日、国会で「韓国政府がそれなりに苦心したものなのだから、
日本も真剣に検討すべきだ」と述べた。

 韓国大統領府は今年1月、「韓国政府と韓日両国企業が参加する第3者基金設立案」に
ついて、「発想自体が非常識」と検討しない方針を明らかにした。
その政府が5カ月後に「非常識な案」を再利用しようとしているものだ。
こうした指摘に、政府は「韓国政府が抜けて、両国企業が自主的に行うものだから
(非常識だと言った)基金案とは違う」と説明している。

 外交関係者の間では、このような弁明そのものが苦しいと指摘されている。
政府は19日、「1965年の韓日請求権協定で恩恵を受けた韓国企業が自発的に参加すれば
いいことで、政府が企業の意思まで確認はしていない」と言ったため、
「企業の意見も聞かないで一方的に発表した」と批判された。すると、康京和長官は同日、
「個々の企業レベルで(財源準備に参加したいという)意志表明があった」と述べた。
これは事実上、政府発言を覆したものだ。基金拠出対象に挙げた企業16社の中には、
政府の発表を見てこうした案を知った所も多い。康京和長官は同日、
「(徴用賠償関連で)日本の報復措置があれば、我々も黙っていない」とも語った