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「非核化」の引き換えに「中立化」

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「目と鼻の先から米軍基地がなくなる」と米韓同盟消滅に手を打って喜ぶのは
北朝鮮だけではない。中国やロシアも同様だ。

 6月19日、習近平国家主席は訪朝に先立ち、北朝鮮の労働新聞に寄稿した。
極めて興味深いくだりがあちこちに登場する。「我が民族同士」(朝鮮語版)の記事を翻訳する。

・中国側は朝鮮の同志と共に手を取り合って努力し、
 地域の恒久的な安定を実現するため、偉大な計画を一緒に作成する用意があります。
・私と金正恩同志の指導と共同の努力により、70年間の輝く道のりを歩んできた
 中朝関係は新たな歴史的な出発点に立っており、新しい生気と活力をほとばしらせています。
・意思疎通と対話、調整と協調の強化により、
 地域の平和と安定のための新しい局面を拓いていくことでしょう。

「恒久的な安定のための偉大な計画」
「新たな歴史的出発点」
「安定と平和のための新しい局面」。
いずれも北東アジアの構造的な変化を予告する言葉だ。

「北朝鮮が非核化に応じないのは、その後の核の傘の保証がないからだ」と
中国とロシアは指摘してきた。図表「朝鮮半島は誰の核の傘に入るのか」で言えば、
「シナリオIV」を避けるには「I」「II」「III」しかない。

 トランプ親書は「III」つまり米韓同盟と、形式的には残る中朝同盟を同時に廃棄して
半島全体を中立化しようと呼び掛けたように見える。