消費者の韓国離れ心配 日韓首脳会談願う 大阪の韓国系住民
2019.6.27 12:17

 大阪市で28、29日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)
で、日韓首脳会談の見送りが確実となったことに、大阪や関西に在住する韓国人から
落胆の声があがっている。大阪は国内で韓国人が最も多く住む地域だが、
韓国の大統領が大阪に複数日滞在するのは約20年ぶりとなる。
経済関係の韓国人団体トップは「首脳同士の対話でないと今の状況は打開できない」と
会談開催に最後まで期待をかけている。(石川有紀)

 「大阪は日韓が密接にかかわってきた地域。歴史認識をめぐって両国民には
異なる感情があるが、いつまでひきずるのか。両国ともに解決に向け努力してほしい」

 韓国人経済人ら約1200人が所属する在日本関西韓国人連合会の
金建鍾(キム・ゴンジョン)会長(62)は、困惑した様子でこう語った。
会員の経営者からは、日韓の貿易手続きが厳格化しているとの声や、日本の取引先や
消費者の“韓国離れ”が起きるのではないかとの懸念が寄せられているという。

 日韓関係は、2012年8月、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が、
島根県の竹島に上陸したとき、最悪のレベルに落ち込んだ。60代の韓国人経営者は
「韓国物産展や日韓交流の市民行事でさえ中止が相次いだ」と当時の様子を語り、
「今は韓国ブームでコリアタウンに大勢の日本人が訪れているが、
また急にブームが去るのでは…」と表情をくもらせる。

 同年代の別の経営者は「日本に住む同胞が損害を受ける。
日韓の政治家は民間を巻き込まないでほしい」と憤りすら語った。

 金会長は「韓、米、日は安全保障でも経済的にも切り離せない関係。
日韓関係の厳しさは重々承知しているが、日本にはホスト国として全体をみる立場から
寛大な姿勢を示してほしい」と、会談開催を願う。