>>6のつづき)
Aさんは2012年にE9就職ビザを受けて韓国に来た。
ビザ更新のためにしばしネパールに行ってきた期間を除いては、7年間同じ農場で働いた。
朝6時に仕事に出て夕方6時に退勤するが、休憩時間はお昼の30分が唯一だ。
休日はひと月に2日。
農村は労働基準法の適用にならない。
「農畜産業労働者らは勤労時間・休日・休憩に関する条項の適用例外とされる」 という労働基準法63条のためだ。
ネパールに帰って酪農業をしたいというAさんは、1年あまり前から農場主に事業場変更同意書を書いてほしいと要求しているが、農場主は代替人員、農繁期など様々な理由を並べ立てて先送りしている。

農村移住労働者が劣悪な宿舎と不当な待遇を受けても、事業場を自由に変えられない理由は「雇用許可制」のためだ。
農場主の許可がなければ、ビザの延長や事業場の変更ができない。
抱川移住労働者相談センターのキム・ダルソン牧師は 「移住労働者たちは雇用許可制と労働基準法の例外条項のために、現代版奴隷のように働いている。
セクハラ、暴言などにさらされてもちゃんと訴えられない」 とし、「農場主に絶対的な力を与える雇用許可制は改めるべきだ」 と主張した。
厳しい農村の現実と硬直した制度が人権の死角地帯を作っていた。

ハンギョレ 2019-07-27
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/33988.html