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外貨準備の不足を市場は見透かす

――株も持ち直すかに見えたけれど、再び売られました。

鈴置:KOSPI(韓国総合株価指数)も同じ構図でした。
スワップ報道を受け、3月20日は10営業日ぶりに上げた。
しかし、週明けの3月23日の終値は前日比5・34%安の1482・46へと急落。

 24日は前日比8・6%高の1609・97で引けました。同日に政府が債券・株式市場の
安定ファンドを創設すると発表したのを好感したためです。しかし、この地合いが続くと
見る向きは少ない。売りの主役は外国人で、14営業日連続の売り越しを記録しました。

 新型肺炎の大流行を材料に、株価が下がるのは世界共通のこと。
好ましくはありませんが、何とかなる。最後は政府がウォンを刷って買い支えればいいからです。
3月24日発表の債券・株式市場安定ファンドも、まさにそれを実行するための基金です。

 韓国政府がどうしようもないのが、為替――ウォンが売られまくっていることです。
急激なウォン安を防ぐには、通貨当局がドルを使ってウォン買いにでるしかない。

 しかし、そのドルの弾薬庫である外貨準備が足りないと市場は見透かしている。
外貨準備の不足を補うはずの米国とのスワップも、
韓国売りに対抗するには威力が足りないと判明しました。