文在寅の懲りぬ「米中二股外交」 先進国になった!と国民をおだてつつ…
鈴置高史 2020年6月8日掲載

 文在寅(ムン・ジェイン)政権が米中二股外交に突き進む。
国民は「先進国になった」とおだてられ、その危うさに気づかない。
韓国観察者の鈴置高史氏が怪しげな「綱渡り」を解説する。


勝ち目が薄い韓国

――韓国が「WTO(世界貿易機関)に日本を訴える」とまた、叫んでいます。

鈴置:産業通商資源部の羅承植(ナ・スンシク)貿易投資室長が6月2日の会見で、
「日本政府に問題解決の意思がない」として「WTOへの手続きを再開する」と発表した話ですね。

 韓国政府が問題にしているのは、日本政府が2019年7月、
半導体・液晶に関連する3品目の対韓国輸出の管理を厳格にしたことです。
いずれも大量破壊兵器の製造に転用できる素材です。

 韓国企業がそれらの素材を日本から輸入した直後に第3国に再輸出するなど、
不審な動きが起きています。そのうえ、日本政府が質そうと協議を要請した際、
韓国政府は一切、応じなかったのです。