>>74

 もう1つは国家戦略の問題です。
日本が対韓輸出管理を強化した3品目の1つにフォトレジストがあります。
これを自由に輸入できるかが、韓国の未来を左右するのです。

 半導体に回路を掘る工程は3段階。
まず、「土台」となるウェハーの表面に、光が当たると溶解性が増すフォトレジストを塗ります。
次に、回路の形状通りに光を当て、その部分のフォトレジストだけを溶剤で溶かします。
最後にプラズマでフォトレジストの落ちた部分を掘るのです。

 半導体の能力は線幅――配線の幅が細いほど高まる。
でも、細い線幅を生み出すには、反応密度の高いフォトレジストが必要になります。
フォトレジストが微細加工の要なのです。

 3品目の1つ、フッ化水素は純度が低いものなら韓国で作れます。
韓国製を使うと不良率が上がるので、韓国の半導体メーカー日本製が欲しい。
でも、いざとなれば韓国製で間に合わせるでしょう。

 しかし、フォトレジストの国産化は当分、難しい。そ
のうえ、日本メーカー5社が全世界の9割のシェアを握っています。

 日本政府は3品目を全面禁輸したわけではなく「怪しげでない輸出」には許可を出しています。
が、韓国とすれば日本が突然、フォトレジストの対韓輸出を止めないか気が気ではない。
半導体の生産が完全に止まってしまうからです。

 そこで自由に輸入できる「ホワイト国」――現在の名称は「グループA」に戻せと
要求しているのです。