一枚のビニールが朝日の方から滑ってくる
だれの元を逸れたのか その音だけが響く通り
振られるサイコロ いつも違う目で
捨てられた猫が 今の僕と重なって
愛おしくなった 涙に手を伸ばした

夕日が雲に覆われていく
金もない 食べ物もない
勇気もない 明日生きられるかもわからない
地獄の底のような場所で
一つの方向へ心の針が振り切れた

雨の通りの路地裏 宿無しと猫はもういない