なんか書きたくてきた。
私は20代後半。
中学生のころ、どうやら今の父は遺伝子上の父ではないことが分かった。
でも、ただそうであると分かっただけで、母には本当の父がどんな人だったのか、なんでいないのかとか聞きづらくて何も聞いてこなかった。
一月前、祖父母の家に親族が集まったとき、誰かが古いアルバムを持ってきた。それをまだらボケが入った祖母と二人で見ていると、赤子らしい私と1人の毛髪が心許ない細身の男性の記念写真を指して、ああ、お父さんだねえ。と言った。
うちの父は熊だしふさふさだしで、その時は親戚の誰かと間違ってるのかなと思ってスルーした。
先日、母と二人で買い物に出かけたとき、ふとアルバムのことが気になって聞いてみた。
「DNA上の親父はハゲてたん?」
母は少し面食らったようにしてたけど
「そうよ、男じゃなくて良かったねえ」と、陽気に笑っていた。
他にどんなんだったかは聞いてないけど、喉につかえていた小骨が取れたような気分だった。まあ、ええか。みたいな。
それだけです。聞いてくれてありがとう。