臣民の道
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1039435/1

国民斉しく天皇の御民たるの光栄に生きる我が国に
於いて、隣保苦楽を共にするの風は、古来の尊い伝統
である。近時、隣組・部落会・町内会等が、全国津々
浦々に至るまで隈なく組織せられ、活溌なる活動を
示しているのは、この伝統を新時代に生かし、挙国
新体制の確立に資せんとするものである。これ国即家
の根本義に則とって、一家和合の精神を向こう三軒両
隣りに拡大し、ひいては国内の大和の生活を樹立せん
とするに外ならない。その任務は新時代に即応して、
江戸時代の五人組・十人組等に比し遥かに重大である。
即ち大和の精神に基づき、隣保相扶け隣人相戒めて
道徳的修練に励み、更に国策万般の普及徹底に協力する
最下部組織として重要なる意義を有する。
(文部省教学局・1941年)