落ち着きたくて、吐き出します

兄は若い頃は内弁慶の家庭内暴力の人だった
できるのは言い合いまでで、こっちはやられっぱなしだった
お互いがお互いを嫌いで、長じて相次いで家を出てからは
ほぼなんの交流もなし

忘れたわけじゃないし、許したわけでもない
あの頃は悪かったなんて謝られたこともない
ただ大人になってからは、つきあいの上では普通に対応してきた
だけど父の葬儀で再認識した

気に入らない相手だから何を言ってもしても腹が立つ
相手を見下してなめてるから自分基準の気分と受け取り方と判断で
すぐにカッとなって怒鳴るし殴る
俺が正しい俺の方が偉い俺は頑張っててすごい
俺はこんなに大変なんだ俺のほうが父の死を悲しんでる俺が俺が
俺より下等なんだから黙ってろお前ごときが命令するな
偉そうにするな言うことを聞けなぜなら俺は俺は

いい年してなにやってんだよこいつと思ったけど
表面上では済まない濃い感情と関わりが発生する場だからこそ
ああ、なんも変わってないんだなこいつ、と分かった

もともと仲が良かったわけでなく付き合いもなく
何年たったって信用も信頼も気安さもなかった
それでこれだ
何もなかったように普通に兄弟の呼びかけをしてもらえるなんて思うな

という気持ちが、時間がたっても消えない
悲しくも辛くもないけど、こういう感情があるのは苦しい