【8050問題】

8050問題(はちじゅうごじゅうもんだい)とは、2010年代以降の日本に発生している
長期化した引きこもりに関する社会問題である。

歴史

1980年代から1990年代までいじめによる不登校が問題視されていた。その後、
2003年の日本労働研究機構によるニートという用語の日本国内への紹介に端を
発する形で、一部の引きこもりに対しては2000年代から継続的に大規模な調査が
行われるようになったが、15歳から34歳までという用語の対象の定義により、
あたかも若年層のみの問題であるかのように捉えられていた。
しかし、2010年代に入り、引きこもりを抱える家族が全国的に高齢化したことで
猶予が無くなり、外部への相談が増えてきたことから、今まで調査の網に掛から
なかった中高年層の実態が明らかになってきている。
内閣府からは、2019年3月時点で、中高年の引きこもり人口は61万3千人も存し、
その内の70%以上は男性との調査結果も発表されている。この他の年代の
引きこもりも算入すると、日本は引きこもり100万人時代を迎えていると言える。
現状を放置すれば、2020年代には事態が更に深刻化した9060問題が本格化する
ことが確実視されており、全国的に孤立死、無理心中、親の死体遺棄、年金の
不正受給、生活保護の受給が増加することから、現状の8050問題に対する
極めて迅速な対応が求められている。

2018年に内閣府は、40歳から59歳までを対象とした初の実態調査を行った。
それは従来までは引きこもりの問題は若者特有の問題であるとして調査されて
いたものの、中高年の実態はどうであるかを把握して支援に役立てるため。
そして2018年度の予算案に調査費として2000万円を計上した。

8050問題が顕在化した事件の例

2018年3月5日の北海道新聞では該当する親子がそろって孤立死したという記事が
掲載された。これは1月に検針に来たガス業者が異変に気付き、中に入ってみれば
親子で孤立死しており、これは前年に死んでいたと思われる状態であった。

【8050問題】