結合の間にたくさんのすき間ができるから

水は水分子の集まりでできています。その水分子をボールだとイメージしてみましょう。ボールに他のボールをぶつけると、とても元気にはずんで動きますね。これが気体、水蒸気の状態です。元気にはずむエネルギーが減って、ゆっくり動く状態が液体、水です。固体はボールがはずまない状態です。ぎゅっと固まって動かないので、ほとんどの物質は体積が小さくなります。しかし、水の固体、氷は少し変わった形になります。
水分子は酸素原子1つに水素原子2つが強く結びついています。その他にも水素結合という弱い結びつきがありますが、水や水蒸気のときは水分子が動いていて、弱い水素結合は起こりません。温度が下がると水分子の動きが弱くなり、4℃になるとぎゅっと集まって、体積が最も小さくなります。さらに冷えていくと、水分子は水素結合でつながり始め、0℃でがっちり結びついた固体、氷になります。そうしてできた氷の構造はジャングルジムのような形をしていて、柱のような結合の間にすき間をたくさん抱えています。そのぶん氷は膨らみ、水よりも体積が増えるのです。