>>270
>紀記の原書としても矛盾は少ない。

記紀原書説には決定的な矛盾がある。
そもそも『ホツマツタヱ』自体は記紀の原書という主張はしていない。
それはオカルト研究家が本を売るためにでっちあげた虚妄である。
語彙・音韻史的・文体的に記紀より新しい形態をとるという動かしがたい事実があり、記紀原書説は完全に否定できる。
逆に言えば記紀が『ホツマツタヱ』を参観して成立した可能性は確実にゼロである。

>アワの歌は、日本語の48文字を57調の長歌におさめたもので、いろはにほへと、とは別物である。
記紀の原書であるならば、上代特殊仮名遣いが反映された87〜88の音価が区別されていないと整合性がつかない。
48文字に収斂していくのは平安中期であり、それよりももっと下った時代に平安中期頃の日本語を模して書かれた擬古文とみるべきである。
57調の長歌というのは記紀や初期万葉では定着しておらず、それは人麻呂以降、長歌が記載によって作成されるようになった時代以降に定着するのであるから、
ここでも記紀原書説は否定される。
仮に記紀原書であったとするなら、記紀への語彙・音韻・文体レベルの影響がみられなければならない筈であるが一切存在しない。
そのことは記紀原書説が成立しないことを裏付ける。

記紀原書という位置づけを捨ててこそ『ホツマツタヱ』は正しく評価されるようになる。