「つきまとい行為」と評価
 そうすると、女は無罪放免ということになりそうだが、ここで東京都の迷惑防止条例に目が向けられた。

 痴漢や盗撮事件のニュースでよく登場する条例だが、禁止されている行為はそれだけではない。東京都では、ストーカー規制法ではカバーできない「つきまとい行為」なども処罰の対象としている。

 その一つが、相手やその家族らに対し、ブロックされたのにアカウントを変更して書き込みやメッセージの送信を続けたり、名誉を害する事項を告げるなど、不安を覚えさせるような行為を反復することだ。

 もっとも、政治活動や市民運動などにまで規制の範囲が広がる懸念もあるので、何ら正当な理由がないのに、専ら特定の者に対するねたみや恨みなど悪意の感情を充足する目的で行った場合に限定される。

 最高刑は懲役1年、罰金でも100万円以下だ。最高刑が懲役3年、罰金だと50万円以下の名誉毀損罪に比べると懲役刑については軽いものの、拘留(1日以上30日未満の身柄拘束)か科料(千円以上1万円未満の金銭罰)しかない侮辱罪よりもはるかに重い。

 そこで警察は、女をこの条例違反に問うことにしたわけだ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/maedatsunehiko/20210622-00244117