「気にしないで」

スマホが鳴った・・・。「あ、俺だ。あのさ、この前のこと悪かったよ。反省しているよ俺。」「そう。」と私。
「だからさ、良ければまた、会ってくれないかな・・・。この前あんなことで、あんまし話もできなかったし」
「あ、もちろん部屋でなくてもいいんだ。外で、頼むよ。俺、あれから色々あって、君に話したいこと、いっぱいあるんだ。」

「ダメよ、悪いけど、私、今忙しいんだもの・・・もう寝るから私、切るわよ。」とスマホを切った。

翌日の雨の夜、夕食の後片付けや洗い物をしていると、玄関のチャイムが鳴った・・・
「どなたですか?」 今頃誰だろうと思いドアを開けると、「あなたね!」と見知らぬ女が叫んだ、

冷やかに、感情を押し殺した表情で語り始める・・・
「あなたと主人のこと、主人から聞きました。銀座のあなたの店で知り合い、通ううちに親しくなったのこと、軽薄そのものですね。
おまけに身の程も知らず、主人と結婚したいとおっしゃったとか、ずうずうしいにもほどがあるわ」

「あなた方はしょせん男たちの一時の遊び相手、あなたの言ったことを聞いて主人もあきれていますわよ
そりゃ主人はいい男ですよ、私が惚れたぐらいですから、あんたなんかの他にも主人に言い寄ってきた女
は沢山いましたよ。私は離婚しません。主人の浮気は一時の麻疹みたいなもんですから、直ぐ間違いに気づき

私のところに戻ってきますよ。あの人は私がいなければダメなのよ、色んな意味でね。あの若さで
あのポストまで行けたのも、私の父が関係しているの、だから主人は現在の地位や財産捨ててまで
あなたみたいな性悪女と一緒になるほど世間知らずではありません。」

--------------主人は私と別れたらすべての物を失うんですよ。--------------

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