「顔のない街の中で」

「どうした健一 元気ないな、 ははん 虐められたか」
「お母さんには内緒にしとくから、 こっちに、こい」と、離れのおじいちゃんの家に連れて行かれた。

薪ストーブに薪をくべながら「虐めっ子も普段から満たされないものがあるんだろう」
「健一な、虐められたからって、虐めっ子にはなるなよ。人の痛みのわかる人間になれ。」
「世界中にはな、生きるのも大変な地域がある。紛争地域の子供達とか、戦争などの争い、飢餓などの
飢えに苦しみながら、大変な思いをして生きている子供たちがいる。そんな虐められたぐらい大したことではない。」

「考え方一つじゃ。 分かったか。命ある限り希望がある。困難なことがあると、嫌になっちゃうけどな、
困難な状況と言うのはな、生きるためのヒントを与えてくれているんじゃ。それに気づかなきゃならん。 人生に行き詰った時、
本来の生きるべき人生に、気付かせるためと思えば、人生の見方も変わってくる。捉え方一つで、ものの見方が変わってくる。そんなもんだ。」

「大切なのは人の痛みのわかる人間になれ」

おじいちゃんの話を聞きながら、薪ストーブの薪のパチパチ燃える音と炎を見ていると・・・なんだか心が落ち着いてきた。

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