「サバイバルロード」

その日、仕事の合間に街のカフェでコーヒーを飲みながらゆっくりしていた。
不意に持っていたスマホが鳴った、取り出してから着信を確認すると会社からだった。

受信ボタンを押して出る。「はい、北村です」----「あ、俺だ、今すぐ帰社してくれ。」----
「分かりました。」社長の黒崎からだった。 一言言って切り、会社へ向かった。

ここからだと歩いて15分ほどで近い、歩きながら段々と夏が終わりかけていく街の光景を見る。
帰社すると、不意に前方からスーツ姿の壮年男性が近寄って来た。

格好からして検事だ。 逃げられない・・
そう思って立ち止まると、一人が、
「北村源治さんですね?」
と訊いてきた。案の定、検察官で
「〇〇地検まで、御同行願えますか?」と言い、俺を連行した。
すでに検察は嗅ぎつけていたのだ。

あの不正な〇〇記録の実態を。 そして黒崎のいる社長室にも追ってガサ入れが入っているようである。
一巻の終わりだと思った。地検で聴取される際、今回の件は、一切黙秘しようと考えていた。
下手に口にすると、社に更に迷惑を掛けてしまうので警戒していた。
地検の調査は恐ろしいのだから・・・・・・。

この連中にとって、会社一つ潰すぐらいのことは訳がないのだし・・・。
乾いた街の一角から、ワゴン車に乗せられる。そして車両は〇〇地検へ向かった・・・・

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