●エピソード(リチャーズ)

リチャーズをスカウトできたのは「偶然」
2016年夏、MIAスカウトのエスピノーザが視察先でリチャーズの投球を見てなければ、リチャーズは別の仕事をしていたかも知れない。

■リチャーズは2016年を最後に野球を辞めるつもりだった
大学時代のリチャーズはミズーリ州Drury Universityで投手としてプレー。
球速が90mph程度だったこともありスカウトの目には留まらず、2014年のドラフトでは指名もされなかった。

が、リチャーズは野球を諦めず、2015年に独立リーグ(FL)のGateway Grizzliesに入団。

2016年も引き続きGateway Grizzliesでプレーしていたが、
もし、2016年シーズン終了までにMLB球団から声が掛からなかったら野球を辞め、
大学で取得した犯罪学の学位を活かせる法執行機関に就職することを決めていた。

2016年7月にはプレーをしながら就職活動も開始。

■MIAスカウトのエスピノーザの勘違い
2016年夏、エスピノーザは「独立リーグ(FL)のEvansville OttersのRP 2名」を視察するため試合が行われるソーゲットに3時間半かけて移動。
が、実はその試合はソーゲットでは無くエバンズビルで行われていた。

それに気が付いたエスピノーザは7時間かけてエバンズビルに移動。
移動後、エスピノーザはEvansville Ottersの監督に「RP 2名を登板させて欲しい」とお願い。
監督も承諾してくれて一安心で試合を視察。

その試合の対戦相手Gateway Grizzliesの先発がリチャーズだった。
エスピノーザはリチャーズの投球を見てすぐに気に入った。

曰く、リチャーズのCHは特異。
「20-80 Scale」で評価したら最高点の「80」

通常、CHのSpinRateはFFよりも少ないが(CH<FF)、リチャーズのCHのSpinRateはFFとほぼ同じ位(CH=FF)。
なので、打者はCHとFFの判別がつき辛い。しかも、鋭く落ちる。

視察後、エスピノーザは球団にリチャーズのスカウティングレポートを提出。
A-の投手に空きが出たこともあり球団はリチャーズを獲得することを決める。

獲得の際、球団はGateway Grizzliesに対して「獲得金3,000ドル」を支払った。
リチャーズへの契約金は「0ドル」