この物語は、ある学園の荒廃に闘いを挑んだ熱血監督たちの記録である。高校野球界において全く無名の弱体チームが、荒廃の中から
健全な精神を培い、わずか数年で連敗脱出を成し遂げた奇跡を通じて、その原動力となった信頼と愛を、余す所なく文章化した物である。

監督「俺は他人を顧みない優等生よりも、お前らの方が好きだ。しかし今日のお前ら最低だ!それは野球をなめてるからだ。
   生きるってことをバカにしている。いま自分がやっていることをひたむきにやらないで、この短い人生でいったい
   何が出来ると思ってるんだ・・・よく考えて見ろ、相手も同じ高校生だ。同じ歳、同じ背丈、頭の中だってそう変わらんだろ!
   それが何で24対5なんて差がつくんだ。お前らゼロか、ゼロな人間なのか!いつ何をやるのもいい加減にして、
   一生ゼロのまんま終わるのか。それでいいのか、お前らそれでも男か!悔しくないのか!」
主将「悔しいです!今までは負けるのが当たり前だと思ってたけど、にやついて誤魔化したけど、いまは悔しいです!チキショー!」
部員「俺も・・・悔しいです!」
部員たち「クソォ・・・クソォ(泣)悔しい〜」
監督「悔しいのは誰でもそう思う。でも思うだけじゃダメだ。お前たちそれでどうしたいんだ、どうしたいんだ!」
主将「勝ちたいです!」
副将「金沢一高に勝ちたいです!」
監督「ちょっと待て。金沢一高はたったいま24点も取られた相手だぞ!』
主将「仇を取りたいんです!」
部員「一高がなんだってんだ!」
   次々と部員が叫びながら立ち上がる。
監督「しかしな、一高に勝つためには、並大抵の努力じゃ勝てないんだぞ!血ヘドを吐いて死ぬほどの練習をしなきゃならん!」
主将「はい、やります!」
監督「誰も助けてくれるわけじゃない。どんなに苦しくても言い訳はきかないんだぞ!お前たちそれでも勝ちたいか!」
副将「勝ちたいです!勝ちたいよぉ」
監督「よーし、よく言った。俺が必ず勝たせてやる!そのために俺はこれからお前たちを殴る!いいか、殴られた痛みなど
   三日で消える。だがな、今日の悔しさだけは絶対に忘れるなよ!よし、歯を食いしばれ」