進化論を除外する教育基準が作られた原因は、ダグラス教育長や教科書の作成にかかわった教育者の多くがキリスト教「福音派」に属することにあるとのこと。聖書に忠実であろうとする信仰心を持つ福音派の人にとって、
「神が生物を創造した」という聖書の内容に矛盾する進化論は受け入れられないものであり、この宗教観が教育レベルで反映されたのが今回の問題だというわけです。

他人の信仰心を尊重するという価値観はもちろん大切ですが、科学的な知識と矛盾する場面でも宗教的な考えを優先させるべきかどうかは、大きな議論のあるところです。
なお、なるべくアメリカ全土で多くの教科書を販売したい出版社にとって、例えばカリフォルニア州やテキサス州などの規模の大きな州の教科書の基準は非常に大きな問題ととらえられるのに対して、
規模の小さなアリゾナ州の教科書の内容は、それほど注目されないという現実があるそうです。