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小西「10年連続200本安打を達成した今、周囲は新しい展開に期待しがちです」
鈴木「…(略)…例えばずっとプレーオフに出ていないチームよりも、強いチームでワールドシリーズって安易な発想もありがちです。…(略)…そういうことに僕が振り回されるわけにはいかない」
小西「2007年、マリナーズ以外のチームでプレーする選択肢もありました」
鈴木「あそこで動かないなら、もうないです。シアトルで成就すべきでしょう」
小西「ワールドチャンピオンはマリナーズで目指す?」
鈴木「当たり前ですよ。ここでしかなりたくない、くらいです。まあ、それは言い過ぎかもしれませんが、気持ち的にはそう戦力として必要とされて、というのはもちろん大前提ですが。
   時間をかけてきたものに愛情が生まれるのは当然です。チームメイトは変わっていきますが、ここのファンはいつも一緒でした。
   シアトルのファンと僕の間の関係は時間が経てばたつほど濃密になっていると感じているので、そこで2001年みたいにみんなで盛り上がりたい、と考えるのは自然なことでしょう」
小西「いい選手は強いチームに移るという空気がアメリカでは主張となっています。そんな流れをどんな気持ちで見ていますか?」
鈴木「理由にもよりますが、ただ勝ちたいというだけならあまりにも浅い。特に長い間同じチームでプレーしてきた人の決断なら、もったいないと思います」
小西「ひとつのチームに留まってワールドチャンピオンのチャンスを待つのは、今のアメリカでは不器用と思われるかもしれませんね」
鈴木「器用か不器用かは価値観によります。僕から見れば、勝ちたいからチームを変わっていくという人たちの方がよほど不器用ですよ。大事なものを自分から放棄しちゃってる。
   そういう人たちはきっと、大事なものを大事にできないから動いてしまう。生きていくうえでの軸が揺らいでいる感じで、それはちょっとかっこ悪いな、と思います」