日本最大手の無線通信メーカーである日本無線は、東京の三鷹市に研究開発拠点を持っていましたが、2014年にその拠点を長野市に移転すると同時に、従業員約900名のうち9割が東京から移住しています。
初期の段階では「人口減少社会のなかで、長野に移転して将来的に人材を確保できるのか」「従業員が長野の生活に満足できるのか」といった不安があったということですが、
今ではそうした不安は完全に払しょくされ、従業員の多くは生活環境が快適になって満足しているといいます。

 LEDで有名な日亜化学工業は本社が徳島県ですが、2015年に下諏訪町に研究開発拠点を移転しています。
長野を選んだ理由というのは、「諏訪湖畔の豊かな自然環境のもとで、意欲と創造性が高まることで研究開発力の向上が期待できる」「諏訪地区はモノづくり産業が集積している地域性から、他の企業と技術連携できる可能性が高い」ということでした。
日本無線や日亜化学工業の事例を見ていると、長野の強みを如何なく発揮したモデルケースになっているように考えることができます。