慶大は昔から有名な選手を入試で落とし、勝ちに拘っていないフリをしている。
これは一般入試しかない東大に対する配慮かもしれない。
1973年、作新学院・江川卓を不合格にした。
(民放のみならずNHKも個人の不幸を公に速報)
昨年、高校No. 1投手の中京大中京・高橋宏斗(現中日)をAO入試不合格にした。
(プロに蹴られて大学進学のパターンは数多あるが、大学に蹴られてプロ入りした初のケース)
彼らを不合格にしたのは、ともに直近で三度リーグ優勝したこともあるが、
高校No. 1だけは世間の目があり、合格させられないのである。

レベルを下げるのにも限度があるが、通常戦力強化を図るなら進学校より強豪校の選手に声掛けするはず。
滋賀県なら彦根東ではなく近江、兵庫県なら長田ではなく報徳学園といった具合に。
但しAOでは本当の戦力補強を望んでいない節がある。
そこが控え目なのは、附属校を強化しているからである。
塾高は全国の強豪シニア・ボーイズから優秀な選手をかき集め、やりたい放題といった有様。
中等部・普通部生も強豪シニアに所属(潜伏)しており、
スカウトのような役割で、常に生の情報が得られる。
世田谷西シニア出身も多く、本気で甲子園を目指す子は横浜や相模だろうが、
そうでない子は慶應か早実という構図があるから勧誘も容易だ。
そういった野球エリートが進学する塾高出身の選手が慶大の主力となっている。

絶対に受かることのない高校No. 1選手を受験させる頭の悪さは今も昔も変わらない。
「誰でも入れる野球部」と「誰でも入れない大学」の姿勢は、
附属校の入試に目を向けると、これが慶大の見識とは思えない。
推薦入試があるため東大のスタイルが主流となることはないが、
東大の選手たちが不公平を唱えないところが六大学野球の魅力でもある。