山陰中央テレビ 2/11(金) 6:01

松江地裁
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国の持続化給付金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた東京都港区、元慶応大生の被告(23)の被告人質問が10日、松江地裁(畑口泰成裁判官)であった。被告は犯行に至った経緯について、野球や勉学で結果を出しても、プロ野球の有名監督の孫であることを理由に、評価されていないと感じていたことを挙げ、「どんな形でもいいから起業して成功したかった」と述べた。

 起訴状などによると、被告は2020年7月、持続化給付金の対象ではない企業を経営していた知人らと共謀し、中小企業庁に虚偽申請するなどして計1100万円をだまし取った。このうち630万円を「コンサルタント料」の名目で受け取っていたとされる。

 被告は、プロ野球南海ホークス(現ソフトバンク)で監督を務めた故鶴岡一人氏の孫で、慶大野球部でプレーしていた。

 被告人質問では、野球や勉学で成績を上げても「鶴岡の血が入っているから」と周囲から言われていたとした上で、「自分一人の力で起業して成功することで、周りを見返したかった」と語った。次回は24日に論告求刑がある。