背後でドアが開く音がした。
目隠しをされ、手足を椅子に縛り付けられたあいすは音で部屋の様子を探るしかない。
衣擦れの音から、その人物が自分のすぐ後ろに立っているのを感じた。

「セックス」

あいすの左の耳に熱い吐息がかかり、悲鳴をあげる。
また、衣擦れの音。むせ返るような男の汗の匂いがあいすの鼻をつく。

「セックス」

今度は右の耳に。男の唇が触れるか触れないかの距離で囁かれる。

これが何度も繰り返される。
極度の恐怖からあいすが気を失いかけると、男はそれを鋭く察知して耳の穴に舌を入れてくる。
その度にあいすは小さく悲鳴をあげるのであった。