下町のハイパーメディアクリエイター2202
総集編「天界の部屋篇」

ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ
馴染みのメロディが流れて
真っ白な部屋のど真ん中にベッドに全裸姿のブンゴーが寝ている。
けだるそうに目を覚ますブンゴー。
ドアが開き配膳トレーを持った身なりがオールドスタイルの執事服の老人の男が現れる。
トレーには値段の高そうなコップに注がれた牛乳が。
老人「福井様のPCR検査結果は陰性でございました。検査前に福井様のお身体及び衣装を消毒させていただきました事をお許しくださいませ」
部屋の天井に設置されたスピーカーから声が聞こえてくる
声「僕に会うためには処置室で消毒と検査をしなければならないルールなんだ。先生、牛乳にはビタミンDが入ってるんだよ。免疫力を高めてコロナウイルスと闘ってくれるんだ。さぁ飲んで。僕のうちの牛乳は下界の牛乳とは大違いだ」
老人「ミルクに蜂蜜をお入れしましょうか?坊ちゃん特製のフレーバーでございます」
声「そいつは僕の執事のじいやだよ。なぁじいや、先生をラウンジルームまで通して」
じいや「はいお坊っちゃま」
廊下を歩くブンゴーと執事。窓から東京の街が見下ろせる。
ブンゴー「ここはタワマンですか?」
じいや「最上階のフロア全てがお坊っちゃま専用の住居スペースでございます」
ラウンジルーム、とは名ばかりのオモチャやフィギュアが溢れている子供の部屋。歴代のガンプラがズラリと並べられている。
部屋の奥には王座の椅子に座った小学生の少年の姿が。
少年「先生が嫌いなモビルスーツはどれだか当ててあげようか?副監督のジ・オ、だよね」
ナーフを持った少年はジ・オの模型に狙いを定めて撃つ。模型は床に落ちて粉々になる。
少年「じいや、新しいジ・オに交換しといて」
ブンゴー「君が黒幕だね?」
少年「そうだよ。あの頭の悪い店長を使ったのは僕だ」