福井「ほんとうにっほんとうにごめんなさい小林さんっ」
ベッドから転がり落ちるブンゴウ。酷い魘されようである。
彼は一体何をやったのだろうか?
おしゃぶり用タオルを持ったまま夢遊病者のように寝室を後にするブンゴウ。指をプチュプチュ吸いながら家の中を彷徨うライナスブンゴウ。
冷蔵庫のドアを開けて南アルプス天然水500ミリサイズペットボトルをゴクゴクと飲み干す脂汗で顔の輪郭が変形しているブンゴウ。
小林誠氏「さぁ今夜は踊ろうぜ」
真っ白なTシャツ短パンそして手に黄色の手袋という出で立ちの小林誠氏がブンゴウの肩をツンツンと叩く。
ブンゴウの顔はみるみるうちに生気が蘇っていく。
ここは小さなライブハウス。小林誠氏とブンゴウのライブステージの始まりだ。
小林誠氏は大きな手ぶりで拍手をしながらステージを駆けまくる。ブンゴウのおしゃぶりタオルは派手なギターに変身し滑稽なエアギターを披露する。
「出て行く前に起こしてよ!コカコーラヨーヨーみたいに俺を宙ぶらりんにしないでおくれ!」
VRゴーグルを装着したまま歌を呟くブンゴウ。ゴーグルの隙間からジワジワと染み入る涙。ストロングゼロが握られている手は小刻みに震えていた。
「テイク・ミー・ダンス・トゥナイト……」