真実のストーリー『嘘つき美大生』

第1章「プラネタリウム」

1974年渋谷
東急文化会館「劇場版宇宙戦艦ヤマト」公開
東急レックス前
小林兄弟が言い争いをしている
オサム「なんで?ヤマトを観にきたんじゃないの?」
マコト「予定は未定。プラネタリウムに変更ね」
オサム「僕は嫌だよ!1人で行けよ!この前売り券はどうするの?お母さんに怒られるよ!」
劇場スタッフが小林兄弟の言い争いを観察している
マコト「オサム、東急ストアでファンタを買おう」
ストア内。オサムの胸ぐらを掴んで壁に叩きつける兄
マコト「前売り券はいつだって使えるんだ!今日は混んでいるだろ?人気が落ちてから観に行けばいいのよ!お分かり!」

プラネタリウム内。館内はガラガラ。
マコト「上映が終わったら屋上に行くぞ。ドームを写生するから」

階段を駆け上がる小林兄弟
床にグニャリと折れ曲がったスプーンが落ちている
オサム「スプーン…あっ!あっちにも落ちている!」
彼方此方にスプーンが散らばり落ちている
マコト「ユリゲラーがやったのかな?」
オサム「こんな場所にいるわけないじゃん」

屋上。プラネタリウムドーム前
ドーム天井に男の子が立っている
少年は空に向かって両手を広げて挙げている

テロップ「2016年国分寺ジーベック」
小林誠が一心不乱に何かを描いている
第11番惑星の桂木透子のイメージビジュアル

1974年東急文化会館屋上
ドーム天井の少年はポケットからスプーンを取り出す
少年「曲がれ!」
小林兄弟に向けてスプーンを投げる
少年「君たちも登っておいでよ。UFOと交信してるんだ。一緒に念力を送ろう」
マコトはドームを登っていく
オサム「にいちゃん!危ないよ!」
マコト「お前は来ないのか?」
首を横に振るオサム