煙幕に続けて、癇癪玉を投げつけた。連なる音の火柱があがり、模造の気配がこちらに向いた。「あの建物の陰へ!」サトリが指を向けた。マッシュとサビナ、駆け出す二人を火の粉が混じる煙の雲が地は這い迫る。
その大きな煙の塊を指が押しのけた。塑像ではないその大きな姿で二人に向かい追いすがる。瞬間である。巨大な音が道の両側で響き渡った。