>>3821行目・・網目の盾を形作る。気がぶつかり、跳ね返る。鍔は弾かれている。しかし獅子の男、ラルフ・アンダーは肩口で柄を握る手を緩めた。「待ってください。・・

「お前とオレが組んだら意外に強いかもな」ブルジーはそこにいる誰かとは眼を合わせずに言った。少しだけ笑っている。「またですか?」「しょうがないかも」ステファンはむしろマークではなく自分に向けて言った。

マークはつい先日のことを思い出した。ステファンの弟リックのことである。ほかでもない。彼からの頼まれごとである。兄、ステファンには不用意なことには関わってほしくないのである。

「ブルジー、お前って自由だな」ブルジーは煙草を咥えたまま眼を丸くした。そしてなにげなく笑った。「吸うか?」マークに煙草の箱を投げた。「お前だって自由になれないか?」ステファンがマークに同じ言葉を投げた。

「ブルジー泣けてくるな?連帯責任だとよ」「ステファン、気持ちが悪いな」「確かに少し気持ちが悪い。俺もお前に付き合わされているんだけどな」

「掛け持ちだろ?よく他の喧嘩部にも駆り出されているのだろ?」ブルノーが空を見て軽く溜息をついた。「聞いたよ」マークだけに分かることである。

「そんなことだったのか。さっき返事したけどな」マークがステファン胸元に煙草の箱を投げた。

「お前らとオレが組めば意外に強いかもな」ステファンがブルノーに煙草の箱を投げた。返す言葉の代わりである。