ー船団の音の航跡。無垢なまでに壮大で無碍な大宇宙の光景。ー「ある時に行き詰まる。我々と同じように。話は簡単で、ことのほか思いもかけない物に新たな可能性を見出そうとするだろ?」

「これまでのことで大凡は、分かりやすく例えば、蟻を観察することだよな?」「それを含めて、ほかに動植物全般」

子供たちがお菓子のおまけでついてくる簡易実検キットで遊んでいる。プラスチィックの容器の中に指先に乗るほどの僅かに小さな干し魚の一つを入れた。

容器の中に少しの泡を伴い、何かの形が作られていく。子供たちがたまたま思いついて、冷蔵庫の中から持ち出してきたものである。

「確か初め相似遠感投影。テレパスとかまで言いだしたり、つまり立体ジェネレイターのことらしい。仮称だが。

人工知能が解析する仕組みらしいが」「どうも採集が目的であるのだよな?・・」−一国内か、数カ国のどこかしこかで、人々が機材を運び、

資料を捲り、急ぎ動く光景ー「しかし、彼らが求めるそのものをそのまま作ればいいだろ?そのような物があるのなら」

「だから我々だって、足元を見てきたのでは?うるさいだけの蠅にどのようなそれ以上の意味を見ることができる?」

「これが大凡世の中の全般に関わる。しかも我々が見るものは、彼らの知る何かのためのプロセスにすぎないらしいしな」