>>411、12行目→・・外気は凄まじく蹴散らかされる。圏界面を貫き、天の境界を無きものとする。

 片足を伸ばし、片膝を屈めて立てる。強大な腕で背を支えるその姿は自然の岩場と変わることがない。

背が山に凭れるその姿も山の一面でしかない。

「いつからここに?なぜここにいることに決めたか覚えているのかい?」山の主が聞く。

「覚えていない。山の衆は同じことをしてきたのだろ?」

山の主タンギリと旅人の彫刻人ヒューは大地に天を遮り立ち尽くす巨大な像の間を歩きながら話している。

多く、この地や他の地の者たちが持つ古い話について。

「天を支えていたのだろうか?」ヒューは額に手をやり、巨大な像を見上げた。

ここの人それぞれが像を彫るのである。ヒューは歩いている。

「彼らとも互いが向かう先のことで会話を交わす。数えて、13の冬が過ぎると誰もがノミと杭を持つ。

かつて、いつかの覚えも時が流す。朽ちた思いを習わし生きている。そういうものでもなく、そういうものである。

巨大な像の傾斜を若い者たちが滑り降りる。肩口に掛けたロープをよじ登る者があり、皆々が色を塗っている。かつての色を求めている。

「ずっと向こうの先で賑やかな事が起こりだしている」「さあ、どんな宴になるのだろうな?」

いつ忘れたのだろうか?空を見た。そしてヒューは夜も空を眺めるのである。
    
      (う〜わ、欠伸が来た。引いているたい。昔、なんか人とこういう空想をたまに・・)