ダイナーの椅子に座り、額に汗を滲ませて男が震えている。男は長い上着の下の左腕を抱き寄せるように抱えている。店の従業員が食器を布巾で拭きながら、その様子を気にしていた。
席を立ちその男は店の外に出た。従業員は少し気になり、店の外を見た。男の姿はなかった。床の数か所に赤い滴の染みが付いていた。
 「変わった様子は特別はないか・・。わかった。何か気になることがあれば、連絡してくれるかい?」「地元の警察でもいいのでしょ?」
「それでいい」保安官は無線機で管区の警察に連絡を取った。
 
 どのように扱うのか?「車かオートバイか?これがか?」「とにかく装着だ」「重機だな?重そうだ。扱えなければ・・」
ピートは一つの大きな機体に向かい、ブライアンはまず体に防護と強化補助のプロテクター取り付け始めた。肩当てから脛当てへ、一式の装備を
二人とも全身に施していく。

 「なんだ?アラームか?」右手に付けている腕環の端末が振動した。ベッドから起き上がり、目を細めてドアの隣のパネルに近寄り、顔を寄せた。「チッ!」ルイスは舌打ちを漏らし、
パネルの蓋を開けて、施設内の警報に切り替ええた「例の奴だ。赤毛の立て髪だ」ピートが無線に話しかけながら、部屋の前にやってきた。
「こんな場違いな時代に」ルイスは拠出ハッチへ向けて通路を走り、拡張外骨格に乗り込んだ。
 「今さらだが、何度も聞く。今は新生代だぞ?」「・・・」ルイスは無言で強化服を取り付けている。「おい!ルイス!」「分かっている!」
ピートは操縦スタンドの計器のスイッチを入れて、動力を起動させていく。
  
 「追う者と追われる者?古い類型だ」「そこまでのことをして、何を持ってゆく?」「なんだってさ。例えば・・」「例えば?」「世界を総べる見取り図だ」
「王統や国の機密なんかも・・」「競争だった?単なる競争。それが違った。大きすぎる違いだ。」「宙に行った時に途中で何かを見つけて、中断せざるをなくなったらしい」 
マークが地面の地質に電磁波探査装置を当てている。ロレンツォは外装が軍用仕様の車両の後部座席に入り、各地点の震度計の計測数値を見た。
「荒地でもない。しかし草が疎らだ。こんな下に高層の建物が?」マークは地面から掘り起こされて露出した金属らしき突端を蹴った。