>>460 10行目 → 
 奥歯に力が入る。闇夜で光子を集め額が光輪を纏う。その淡い光の前部甲殻器は光の縫い針を速射した。しなる首元に力が籠った。
夜の日常の傍らをオプティカル・バレーの光線が疾走った。
 「ッ!」ジャックは息を飲んだ。撃ち放った光線が弾かれた。相手は振り向きざま、飛来する光弾に向けて片方の手の平を向けた。
相手の間合い近くで光弾は逸れ着弾が真横に流れた。ジャックが光弾を放つ前に迷いなく、瞬間先に反射的にドーム・アウトした。
その怪異な巨躯の様体は云わば連続する磁気波動を放射した。両者が抑止する接触反響で側近く止められた車体や近くの街灯のガラスが弾け砕け灯がその音を無くした。
 「深き地に住まう輩(ともがら)だ・・」その様体は言った。片隅にある街の闇夜で、眩く淡い光子が散った。

>>461 → 5行目から8行目

>>460 18行目 → 「・・・」その新手の誘導体はジャックに斃され突っ伏した一体の模擬改造体を見た。
       「それを喰らうと眠りが安からではないな」ドーム・アウトし一瞬を盾にした。フレッド・マーカーは胸元で左手の四本の指を親指で擦った。

>>462 14 あたりから →メイトリックは歩きながら袖を捲った左腕の手首を握った。曲り角に近づいた。
        その左腕は蒼く濃く黒く変色し、銃口を持つ別の用途にその形を変えていた。
       「!?」リリーは目を見張った。道を横切り向かい側の進むその先へ轟音を噴き光の火柱が飛んだ。煙りがメイトリックの左腕を燻ゆり巻いていた。
       左腕から撃ち放たれた光の放射は角を受け持つ仕込みの反射器に当たり、その角度を変えて狙う対象へ向かった。