>>460 7行目 → 籠った轟音が海面を盛り上げた。
>>463 6行目 → 互いが装備する衝撃が接触反響し側近くに止められている車体と近くの街灯のガラスが弾け砕けその光源の音を止めた。
   17行目 → その左腕は濃く蒼く黒く突端に銃口のある別の用途にその指先までを変えた。

 「何?」リリーはメイトリックがテーブルに置いた物が何か尋ねた。「君に」リリーを見た。「私に?口説いているの?」
リリーが箱をまんじりと見た。「まさか」メイトリックは微笑して小さく頭を振った。「連邦捜査当局にいる知り合いからだよ」
メイトリックに渡されたことに意味があった。

 「荒れた地にお互い甘物は必要ないよ。たとえそれが互いに間違いのない物だとしてもね」メイトリックはその特殊金属製の箱を取って揺すった。
メイトリックはその特集な誂えの箱を懐から出した。事前に何かを聞いていれば察しも付く。素顔に勘の良い表情を持っていると思えた。

 「卒業祝いだよ」秘めた決め事であるらしい。彼女たちの儀式なのかとメイトリックは思った。「他者が立ち入ることのない」旧い経緯を持つ呼び声だと思った。
「円筒の棒ね」照合の施しのあるリリーが触れて開く仕組みである。呼び声?おかしな例えだと思った。聞いた言葉なのか?自分で思った言葉なのか?
 
 取っ手の柄の上に藍の色調を濃くするガラスの柱を納めている。外形は発煙用具である。
「松明かな」過去からの遠い呼び声だと思った。メイトリックには分かっていることがある。「直接聞きなよ」メイトリックは肘を背凭れに掛け首を傾げた。
「ランプの明かりかしら?」メイトリックは表情を緩め小さく頭を振った。