古い名作『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』(昭和10年=1935年)を観ました。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=131397
面白かった。監督(山中貞雄)も、主演俳優(大河内傳次郎)も私は本作が初見。
山中監督は「天才」と評される方らしいですが、現在でも観られる映画は3本のみ。
本作は隻眼・隻腕(片目・片腕)のニヒルな剣士「丹下左膳」が主人公のチャンバラ
時代劇を「人情喜劇」にしたパロディ?らしいです。ハードボイルドをコメディ仕立てに
している『ビッグ・リボウスキ』みたいなもんか。話は難解というほどではないですが、
あっち行ったり、こっち行ったりで最後まで飽きません。終盤の道場荒らしが特に楽しい。
お笑いの用語で同じフレーズを繰り返すのを「てんどん(天丼)」と言うらしいのですが、
婿養子が3〜4回言う『江戸は広いから見つかるまでに10年20年かかるかも。まるで
敵討ちみたいだ』の棒読みフレーズ、最初は当然に面白くないが、最後に発する時には
ネタ振りが効き、自然に笑みがこぼれる。矢場(射的屋?)の女主人が歌う時に左膳や
安吉が置き物を後ろ向きにするのは何故?。大昔のモノクロ映画、観終わった時の
満足感・幸福感で、『三十九夜』(1935)>>232、『いちごブロンド』(1941)>>256みたいに
余計に高く評価したくなる。クズ屋の「変なおじさん」?など、キャラも立っています。
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