「その子は人ではないぞ」あくまで諭し釘を刺すにすぎないその存在である。 管理統括する者たちが意向する道の外れにあり、嘗ての何か愉快な心境を伝えている。
気持ちは若く、身支度をする間はない。出会い頭にそそくさと部屋を後にするスティックとアシュインの二人はまるで駆け落ちの面持ちである。
「大げさなんだよ」苛立つそのはずの表情はなく、急いて落ち着かずどうしようもない。その僅かな言葉の吐露である。スティックはドアの把手を引いた。
二人は互いに一言もなく、目を合わせることもなくその場を後にした。 世界を支配できるだろうか。已む無くも、そこには何か一つだけの取るべき態度があった。

 「共食と変わらないな」連絡要員が道路の向かい側で様子を伺っていた。ポイントプレスに準じる追捕構成要員である。
血漿を構成する正規の出回りが希少だと当然にその価値が上がり、不穏当な経緯が挨拶代わりとなる。間に合わの媒質を措置する持て余す身なりを銃弾が貫いた。
都市に脈路する暗がりに、落ち着きなく立ちながら点滴を打つ裏通りが乱走した。代謝エネルギーを養う物質の経口摂取を求める市場の足取りが覚束ない。
切迫した羅列する隠語にも似た混乱が彼らサブストルたちの脳裡を占めた。