真実の行方 (1996年米)

邦題がダメだな
ジョディ・フォスターの『告発の行方』が受けたのであやかろうとしたんだろう
同じ法廷ものってことで
でも「告発」は硬派な社会派映画であって、この映画はそうではないからな

俺はこの映画、否定的なんだよ
「どんでん返しが面白い」って意見がけっこうあるけど、どんでん返しすればいいってもんじゃない
どんでん返しなんて、そこまでの設定を根本的に覆せばいいだけで、安易だよ

法廷ものってのは、最後は社会正義が勝って終わりってのを、観客は期待するもんだ
法廷ものでなくても、勧善懲悪の映画がほとんどだろ
観客は、映画で正義が果たされるのを期待している
でもこの映画は、最後に正義が勝たない
どっちかというと、悪が勝って野放しになって終わる
そういうどんでん返しはやっちゃいけねえだろ
「告発」に比べたら、極めて志が低い、低俗な受けだけを狙った作品だ