――ストーリーはどうでしたか?(以下、ネタバレあり)

純士 ハッピーに終わるじゃないですか。それがよかったんですけど、一箇所だけ惜しいと思ったのは、「イケメンの登場が早すぎる」ということ。
できれば、戻らないで欲しかったかな。これは原作にケチをつけることになってしまうのかもしれないけど、あのまんまの姿で結ばれて終わったほうが、
作品のテーマ的にも正解だったんじゃないでしょうか。

――確かに。

純士 本当に醜くてコンプレックスを持ってる人って世の中に大勢にいるはずなので、あのまんまの姿でハッピーエンドを迎えたほうが、「オーッ!」
となるじゃないですか。なのに、イケメンが急に出て来やがって、勝手にイチャコラして終わるという(笑)。「おまえ、ふざけんなよ!」と思った人も
中にはいるかもしれません。

――ベルもイケメンを見て、心なしかテンションが上がっていたような。

純士 そう、それが残念。「あのまんまのあなたでいいのよ」ってところが欲しかった。戻してもいいけど、戻すタイミングが早いんですよ。ベルの
優しい気持ちにうれしくなった魔女が、数年後、あえて時間差で戻してあげるとか。そういうオシャレな展開があれば最高だったんですけどね。ベルが
野獣を受け入れると完全に腹をくくった描写をしっかり見せて、見てる人を一度は安心させて欲しかった。じゃないと、『美女と野獣』というのが綺麗事になっちゃう。