Q1
(相手:試合に出るの辞めたのか? ようやく、少しは自覚が出てきたみたいだな。
妻には妻の役目というのがある…) はい……。
(相手:婦人会の奥さんたちがお前の事どういう風に言ってんのか知ってるのか!? やれ元ヤンだの、やれ服装が派手だの…)
知ってます! 私のせいで貴方が部長になれないって言われてることも……知ってます。

Q2
もしもし小野くん? さっきからなんか変なの! ずっと後ろから同じ人が付いてきてるみたい!
(相手:同じ方向だったんじゃなくて…?) え、分かんないけど、別の道行ってるのに何度も会うんだよ!
(相手:近くに交番は?) え? 近くにはない…このまま帰って家が知られるのが怖い…。

Q3
私が3日前に下駄箱に忍ばせた手紙を読んでいないとでもいうの…?
“解散したら一緒にお化け屋敷でも行く?”的な誘い文句を書いてあげたのに、
返事の手紙すら書いて寄越さない! 何故? 何故なの!?
…3000歩譲って私から出したのよ、手紙を! 迷ったあげくにハートマークまで付けて送ったのにありえない!!

Q4
去年はタクラマカン砂漠に行ったよ…。 (相手:タクラマカン…?)
うん、ウイグル語で“タッキリマカン”…“無限の死滅”って意味なんだ。
(相手:タッキリマカン…) そう、一面の砂漠でさ…絶対零度の孤独っていうのかな…なんか、
そこにガイドブックにも載ってない石窟寺院の座禅用の穴があるんだけどね…5分も座ってたら、
閉所恐怖症でパニックにもなる。でもね、感じるとうか思い知るんだよ……“人間は元来孤独なんだ”って。
その地中の子宮に抱かれていると…。

Q5
ねぇ、今から病院抜け出して旅行に行かない…? (相手:嫌だよ、殺人犯になりたくないから…)
大丈夫だって、死にかけの少女が病院から抜け出して…途中で死ぬって、お約束だから。
(相手:絶対に嫌だ…) 満開の桜が見たかったのに…。 (相手:満開の桜…今何月だと思ってんの、もうとっくに…)
桜はね、散ったふりして咲き続けてるんだって、散ったように見せ掛けて、実はすぐ次の芽をつけて眠ってる。
散ってなんかいないの…みんなを驚かせようと隠れてるだけ…。そして、暖かい季節になったら、
また一気に花開くの、サプラーイズって…。 (相手:…何かあった?)