サービス業に対して偉そうに振舞う――こういう「バカ」について、ビートたけしは新著『バカ論』で手厳しく批判している(以下、引用は『バカ論』より)
「おいらには昔から癖のようなものがあって、それは、どんな店に飯を食いに行っても偉そうにできないこと。
おいらが行くと、店の人もいろいろサービスしてくれて、『本日のおすすめです』とか言って、何たらかんたらのソテーなんて高級そうなやつを持ってきてくれる。
それはありがたいし、たいていはうまいんだけど、中には『うん? ちょっと違うな』と思うこともある。
だからといって、『こんなもの食えるか!』なんて態度は絶対に取らない。文句は一切言わない。
あれっと思っても、『ああ、おいしいね』ってそれだけ。ワインもバカ高いやつを出されて、『値段の割には大したことない』なんて思っても、それは腹にしまって、いつも黙って飲んでいる。
つまり、客商売をやっているところに行って、ケチつけたりするのが大嫌いなの。
それはメシ屋でもソープでもどこでも同じ。
他人様が商売しているところに行って、『金払っているのはこっちだろ』なんて、偉そうに文句つけたりするのは最低だね。

2017年11月29日 デイリー新潮