細田守監督:「ジャンルとしてのアニメには興味がない」 新作「未来のミライ」公開で

細田監督は「実は僕、アニメーション(映画)で見ているのは、宮崎(駿)さんの作品ぐらいで、
宮崎さんの作品についても、『風立ちぬ』(13年)を何年か前に久々に見て、
そのとき、『もののけ姫』(97年)以来だと言ったら、周りの人に『あなたアニメ監督でしょ』と驚かれました(笑い)。
でも、自分の作品を作っていたら、時間がなくて見られないんです」と正直に打ち明ける。

「僕は、アニメーションというものを一つの技法だと思っていて、アニメーションという技法を使って
映画を作っているという意識が強いんです。つまり、ジャンルとしてのアニメーションというものには、実は、昔からあまり興味がなく、
アニメーションという技法を使って、より映像表現、映画表現をもっと高めていきたいと思っているんです」と語った。

これまで、3年ごとに作品を発表してきた。このペースで今後も制作を続けていくのだろうか。
すると「次の作品を作るには、この作品を見ていただけて、製作費を回収して初めてスタートできるのであって、
それを見届けない限りは、と思っています」と心境を語る。
そして、「いつも思いますけど、その作品を見てくださった方々から、次はこういうふうなものを作れ、みたいな指令が、
なんとなくニュアンスとして伝わってくるものがあるんです」と言葉をつなぐ細田監督。

「時をかける少女」を作ったときは、周囲に、また恋愛ものを見たがっているムードがあり、
その一方で、全然違うものやったらどうですかという声があったという。「結局、恋愛ものではない方に行きましたが、
もしもあのとき、『細田さん、恋愛もの得意ですよね』という話に乗っかっていたら、今、ここにはたどり着いてないと思います」としみじみ語る。

その上で、「そういうY字路が常にありまして、今回も、この作品を見てくださった方が、次に進む道を指し示してくださるのではないかな。
ということで、今回はどういうふうに見てくださるかが、すごく楽しみです」と観客の反応に期待していた。映画は20日から全国で公開中。

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