お前の罪を自白しろ観てきた

総じて茶番
ミステリともサスペンスとも呼べないシナリオ
映画としての作りだけは上等で、構成、演出、俳優の演技力は非常に高いレベル
中でも幹事長役で出演した角野卓造の演技は卓越しており、中盤のワンシーンは非常に印象に残る

難点はメディア目線の議員、官僚であること
議員は立場上、票を得れなければ議員職に就けないので、便宜を図ることは仕事のうち
今作では出世のために総理に親しい友人を助けるべく便宜を図ったが、通常、地元有権者の組織票を得るために便宜を図る

そもそも便宜を図ってくれないような議員に地元有力者は投票しない

それは選挙制度という仕組み上の問題点であるが、その問題点をこの映画では指摘していない

挙げ句の果てに小さな町工場の悲劇を国政に持ち込む結末は国家の運営をまるで理解していない

故に「だからなんだ」という角野卓造の台詞がごもっともであり、それがこの映画に対する結論だ