日本むかし話 〜糞親父〜
昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
ある日、おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。
すると川の上の方から、大きな糞が流れて来ました。
おばあさんは喜んでその糞を拾い上げると、家に持ち帰りました。
そしておじいさんが帰ると二人で糞を切って食べようとしました。
すると糞の中から「おじいさん、おばあさん、待って下さい」
という声がして自然に糞が割れ、中から小さな男の子が飛び出してきました。
二人はこの子を育てることにし、糞の中から生まれたので、「糞親父」と名付けました。
やがて、糞親父が大きくなった頃、村にはΤΝΟΚが出て人々を困らせていました。
すると糞親父が
「おじいさん、おばあさん、私はΤΝΟΚを退治しようと思います。
ΤΝΟΚの住んでいる県北まで行って退治してきますので、お弁当に糞ダンゴを作ってくれませんか?」
と言いました。
おじいさんとおばあさんは驚いて止めましたが、糞親父の気持ちは変わりませんでした。
そこで糞親父の言うとおり、糞ダンゴを作って持たせてあげました。
糞親父が県北への道を歩いていると、
浮浪者のおっさん(60歳)が一人やってきて、糞親父に言いました。
「糞親父さん、お腰につけた糞ダンゴ、ひとつ私に下さいな」
すると糞親父は答えました。
「あげてもいいが、私は今からΤΝΟΚの征伐に行くところだ。付いてくるならあげよう」
すると浮浪者のおっさん(60歳)は
「ΤΝΟΚの征伐ですね。イグッ!、イグッ!」
と言って、糞親父の家来になって付いていくことにし、糞ダンゴをもらいました。