60年代の作曲が「オールディーズ」から進化していく一例

有名ガールグループ、シフォンズの63年のヒット曲(キャロルキング作曲)
一般的にガールグループものの代表曲とされる
The Chiffons - One Fine Day - 1963
https://www.youtube.com/watch?v=KvyOqKhKWQ4
勢いあるし、この時期でも屈指の名曲なんだけど、作りとしてはまだまだコードも素朴でコーラスも定型的だ

同じグループが66年になると、もっと進化する
The Chiffons - Sweet Talkin' Guy (lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=iPGlnR5gXeM
コードがディミニッシュなんか使って、ほどよく切な目に進行
カウンターメロディもいちいち美しく切れ味がいい。
後半に進むと対位法的?な工夫が凝らされ、曲終わりまで変化を存分に楽しめる
(音質最悪で失礼)

ビートルズやモータウンの影響で、原始的だった王道ポップス自体が工夫を凝らすようになった好例だ
これがソフロ黄金期となるともっと複雑なメロディ進化合戦が激化する

ただ、もっと時代が進んで70年代になると、ユースカルチャー革命幻想の退潮とともに
こういう「ポップメロディ快楽追求、メソッド開発」はトレンドから外れ、
インプロやグルーヴや雰囲気により重きが置かれる風潮になる
Kくんの言う「量産しやすい」曲とはおそらくこの辺を指す(シティポップ様式とか)

メロディ曲も局所的に作られはするが、60年代の怒濤の進化と快楽感は鈍化していく
美メロ黄金期が60年代だとされる理由はこのあたりが主因